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2023年1月第2&3週の日記+簡易旧譜レビュー(灰野敬二)

あったこと

コロナ完治から2ヶ月半経った。後遺症の咳は軽くこそなれど未だに治まらない。会話はある程度咳を堪えてできるようになったが身体的にはだいぶ無理をしているのか、その日の夜から24時間は、数分も話すとむせ始めて発言がままならなくなってしまう。

小学生の時に背伸びして読んだ大人向けの「海外のブラックジョーク集」みたいな本に「尼僧たちは夜な夜な鯨油のもとに集まっていた」みたいな一文がジョークとして載っていて、当時は意味わからなかった。つい先日、マッコウクジラの英名がSperm Whaleである(鯨油が精液っぽく見えるので)ことを知り合点がいった。鯨油は蝋燭としても使われていたはずなので、明かりのない修道院で灯火に集まるのと、男のいない修道院で男性性にムラっときて集まるののダブルミーニングだったのだ。
わかったところでそんなに面白いジョークではないな。
その本には2chコピペにもなっていた「船が沈没する時の各国人への声のかけ方」ものっていたことは覚えている。ただしコピペと違って中国・韓国人の描写はなかったはずだ。

アニメ『オッドタクシー』を7話まで見た。老若男女全員がTwitterの語彙とリズムで喋っているのが気に障る。メインキャラの価値観に一切共感できなくて逆に面白い。緊張感なく展開するサスペンスの雰囲気はどこかドロヘドロっぽく、猿のおじさんとかに対しても「まあ、死ねば?」と思えてしまうがゆえに本筋に関してはストレス無く見続けてしまう独特の作風だ。あと曲が良い。
主人公が脳の障害で人間が動物に見えてしまう、ということを明言だけは避けつつめちゃくちゃアピールしてくるが、何らかのミスリードなのか?近日中に見終わる予定。

追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフを謳歌する。 ~俺は武器だけじゃなく、あらゆるものに『強化ポイント』を付与できるし、俺の意思でいつでも効果を解除できるけど、残った人たち大丈夫?~ - 漫画/業務用餅 原作/六志麻あさ キャラクター原案/kisui / 【第1話】 | マガポケ

なろう小説原作の漫画『追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフ謳歌する。 ~俺は武器だけじゃなく、あらゆるものに『強化ポイント』を付与できるし、俺の意思でいつでも効果を解除できるけど、残った人たち大丈夫?~(通称:チー付与)』が面白い。
原作は途中まで読んでみた限りでは良くも悪くもタイトルから想起される通りの一本道成功譚なのだが、漫画版はシリアスもギャグも大幅に改変&増量して全く違う作品になっている。メインキャラの性格も、敵キャラの末路も、ヒロインの一人称も、メインヒロインの役割も、本当に全部違う。シャニマスエロイラストのセリフより原作と違う。
大きな特徴として、あえて作画をユルユルに崩したギャグが頻繁に持ち込まれるのだが、独特なのはその「大学生仲良しグループの内輪ノリ」っぽい雰囲気だ。受け付けない人もいるだろうが、大事なのはギャグの面白さ以上に、主人公だけがボケキャラとしてかましていたそういうノリに、次第にシリアス寄りだったキャラが気を許していく流れ。冒険とか使命感とかそういったシリアス面と同時に、よそ者だった主人公のくだらない暗黙のノリに乗ってくれるキャラが少しづつ増えていくという描写は、本筋とは一切関係がないのに読んでいるとすごく大切な雰囲気に感じる。
タイトルの「セカンドライフ」も、なろう系のタイトルにありがちな定型句だと思っていたら、ほぼ全キャラが「お前はどんな第二の人生を選ぶんだ」「やっとつかんだ第二の人生をお前はどう生きるんだ」と問われる群像劇じみた作風になっており、これを問われているのは冒険者や戦士だけでなくギルド経営者でもある、という筋の通り方に凄みがある。ファンタジーのギルドといえども企業であり、創業の理念、資金問題、廃業後のキャリア、暴力を生業とする人々と雇用関係を結ぶというリスクと責任……脇道と言うにはあまりに真摯に「セカンドライフ」に向き合っている。

 

音楽

灰野敬二 - ここにもこんなにブルースが宿っていたとは…

kolo-music.bandcamp.com

※bandcampはあったのですが試聴すらできないようです
大阪芸大で2007年に行ったパフォーマンスの2020年初CD化。ホールに大小様々のガムラン楽器を目一杯並べて行ったパーカッションオンリーの演奏で、電子的なエフェクターなどは一切なく、鐘等を鳴らす音がホールを反響するようすが聞き取れる生々しい録音。あの甲高いボーちゃんと絶叫を行ったり来たりするようなボーカルも入っていない。封入されたライナーノーツには、ライブを見た筆者の感想として「迷いながらやってんのかな?と思ってたけどこうして音源として聞くとそんなことなかった(要約)」というようなことが書いてあるが、たしかに音の隙間こそたっぷり取っているが一定のリズムがしっかりと分かるのでおそらく即興演奏であるにしても"作曲"の意図はあったであろう。多彩な演奏方法を試しているようで、金属的な響きのドローンサウンド(ばねとりこのような)が聞こえる瞬間もある。ホールの反響を伴奏のように生かしているシーンが多い。パフォーマンスの緊張感と音そのものの安らぎが同居したいい作品。ラスト以外は音数も意図的に抑えられている。
ブルースは……宿ってたかな?宿ってなかったと思います。でも演奏中に灰野自身が「おー、これブルースじゃん!!!」と思ったからこのタイトルにしたのでしょう。