ウゴガベ

ugogg阿部音楽紹介オタク感想雑記日記告知ブルトン身長60m体重6万t

2022年09月第4週の週報&簡易新/旧譜レビュー(Electric Callboy他)

あったこと

映画を2本見た。

ugogg.hatenablog.jp

どちらもすごく良かったです。どちらも方向性は違えど媒体として取り上げづらいテーマに真っ向から立ち向かった感じ。

仕事はめちゃくちゃ忙しかった。祝日が短期間に固まるとスケジュールがかなり厳しくなる。明日からの仕事はその余波もあって更に絶望的なスケジュールになっている。現時点で呼吸が浅い。
そういうストレスのせいか休日は尋常じゃないレベルで寝ていた。

2年ほど前から飼っている川魚が1匹死んで、もともとは数匹いたものの残り1匹となった。なんという魚なのかわからない(カワムツの仲間であろうとは思う)まま飼っているが、よりによって最も早死しそうだったものが生き残っている。しかし最近は餌への食いつきが明らかに遅いので今冬を越せるか厳しいかもしれない。

Pharoah Sandersが亡くなった。
10年前くらいのインターネットにおいて、SleepのDopesmokerやEarthのEarth2といったストーナーメタルの名盤とセットでKarmaを勧める人が妙に多かったのが聴くきっかけだったと記憶している。グラインドコアを語るときにJohn Zornが取り上げられがちなのと同じアレである。そういった意味で自分の中でちょっと特殊な位置にいるミュージシャンだったので特に悲しい。まだまだ未聴作品のほうが多いけど。

SHHisの物語はそこそこの期間をかけて描くのだろうという雰囲気の内容が多いが、それにしてもこれをTrue Endと呼ぶ度胸はすごいと思う。

 

音楽

Electric Callboy(ex.Eskimo Callboy) - Tekkno

TEKKNO

TEKKNO

  • Eskimo Callboy
  • メタル
  • ¥1833

music.apple.com

www.youtube.com

PVがバズり散らかしたWe Got The MovesやPump It収録の新譜。
上記2曲は言うまでもなく偏差値激低パーティーメタルコアで最高。2番でゲストバンドのConquer Divideにまるっと交代する3.Fuckboiも面白い試み。CDはボーカルが昔のAvril Lavigneみたいな歌い方をするところも含めて、こういう売れ線メタルと相性がいい。4.SpacemanはラッパーFiNCH(バンドじゃない方)とのコラボ。チャラい楽曲に乗せて「宇宙でもレイヴするぜ」みたいなことしか言っていない。5.Mindreaderはサビのメロディが妙に暗いのがミスマッチ。6.Arrow of LoveはPVに世界一キモいキューピッドが出てくる佳曲。7.Parasiteは彼ららしいハイテンション&暴力的&メロディアスな楽曲。8.Tekkno Trainは一応タイトル曲か。ネタっぽラップから始まりかなり爽やかなサビが意表を突くし楽しい。9.Hurrikanはドイツ語のディスコソングを少しやったあと突然ブレイクダウン、デスコアになって終わるというパワフルな一発ネタ。10.Neonは切なさを演出するヴォコーダー使いが印象的な、彼らにしてはロマンチックな失恋ソング。結構しんみりする。
アルバムの流れをせき止めないように多彩な楽曲が詰め込まれた佳作。でもランニングタイム30:30は短いな。

 

(Hed)pe - s/t

(Hed) P.E.

(Hed) P.E.

  • (hed) p.e.
  • ハードロック
  • ¥1833

music.apple.com

それにしても素晴らしいジャケ。音楽は攻撃性高めのラップメタル

 

Glory - 2 Forgive is 2 Forget

2 Forgive Is 2 Forget

2 Forgive Is 2 Forget

  • Glory
  • ロック
  • ¥1630

music.apple.com

上に書いたような独特のバランス感を持つHR/HM。2.Miraclesなど北欧メタルとかメロハーのファンにウケそうな曲が目白押しなのでそういうののファンは聴くと良いです。

 

Beachbuggy - Killer-B

www.youtube.com

ネットに全然レビューが転がってないので誰かが言わなきゃいけないと思って書きますけど、劣化Pixiesが聴きたい人とアルビニスタジオの請求書が見たい人以外は聴かなくていいです。ツインドラムが聴きたきゃROVOを聴こう。

初めてプリキュアの映画を観たらかなり良かった(映画デパプリネタバレ感想)

【映画『デリシャスパーティ♡プリキュア 夢みる♡お子さまランチ』のネタバレを大量に含みます】

|

|

|

|

|

|

|

|

|

|

|

|

|

|

|

|

プリキュアは初代からリアタイしようと思えばできた世代ですが、当時は「少女アニメなんてダサくてみてられない」今は単純に早起きができないということで、起床時にやってたら横目に見る程度の付き合い方です。デパプリは歴代プリキュアの中ではトップクラスに見ている方だけど、それでも総視聴時間は放送時間の半分にも満たないくらいのはず。
そんな中知人に誘われて「まあ基本的な設定やキャラの見た目など、ある程度予備知識があるのでそこそこ楽しめるかな」と思って映画『デリシャスパーティープリキュア 夢みる♡お子さまランチ』を見に行ったんですが、これがだいぶ良かったです。涙腺が緩む瞬間が幾度かあった。

感じたこと箇条書き

記憶を掘り起こすように書いているのでだいぶ乱文です。
・まず始まるのがお子様向けのアナウンス。「立って歩き回らず、手拍子やグッズでプリキュアを応援しよう!」というもので、「応援上映とかじゃなくても公式にこういう事言うんだ……」と驚くと同時に、おおらかさに感心した。
・ゆいの暮らす定食屋にわたし(鑑賞者)が入店すると、お子様ランチを頼む前に映画を一本見ようという話になり……という流れで本編に入る。厳密には劇中劇なのかな。
・初手バトルだ!いっつも本拠地にいる敵女性幹部が前線に出ており、TV版でよく見るナルシストルーとごわすロボットが出てこない(最後まで出てこなかった)。
・キャラ説明が丁寧で、まだ顔と名前が一致していない私にはありがたかった。
・一瞬で建築される、未知の新エネルギーに全動力を依存したテーマパーク……。まあこういうザルはいいんです別に。
・マスコットキャラクターたちが人間態に変身した!メンメンが若干ショタっぽい。
・あまねさんがジェットコースターダメダメなのいいですね。あの口調なので余計に。
・拓海くんも来る。ゆいとの距離感完全に付き合ってる感じじゃない!?
・拓海くんが何気なく言う「お子様ランチなんてガキが食うもの(要旨)」は、成長意欲の強いコメコメのキーになるだけでなく、ラスボス・ケットシーの心にある「僕はお子様ランチを食べる資格がない」と対になっているのが粋でしたね。
・警備ロボットの声優、お笑いコンビの和牛だったのか。
・警備ロボットに囲まれたプリキュアたちの戦闘が「3人の肉弾戦で隙を作ってフィナーレが一点突破、足払いでのドミノ倒しを狙う」というめちゃくちゃクレバーで泥臭い戦い方だったのかっこよかったな。
・生身のゆいに対する「初対面のはずだが?(微笑)」かっこよすぎ。
・さらわれた妖精たちのケットシーとの食事会シーン、ケットシーの理念がかなり強い本心から出たものだとはっきりわかるのが良かった。これみよがしに背中のクソデカファスナーを見せるように踊るのも、自分が姿かたちを偽っていることへの後ろめたさの表れっぽくて切ない。
・食事の際の「僕が猫だとわかったのは――」から壁じゅうの落書きで子供にもわかりやすく伏線を回収するの、幼児向けのわかりやすい解説でありながら大人から観てもくどくない程度ですごい。
ケットシーの回想シーンは「精神世界に浮かんだステンドグラス」の形式で行われるんだけどこれが切なくて美しい。
・激昂したケットシーがドリーミアをアッザムみたいなロボットに変形させ、最終決戦へ。即座にロボットの足を狙い体制を崩さんとする戦法にプリキュアイズムを見る。
・葛藤し戦闘に参加できないゆい。ケットシーの思想を誤りと断じることが出来ず、「自分のように出会いに恵まれなければ、ああなってもおかしくないのかもしれない」「『ご飯は笑顔!』というわけにはいかないのか」(いずれも要旨)と思い悩むが、対話のために変身する決意をする。こういう姿勢に「この作品は真剣だな」と感じた。
・感情をエネルギーにする装置を利用するケットシーに対して「じゃあもっと強い思いをぶつければ勝てる」と言い放つ妖精たち、映画の熱量に乗って無茶を言っていて面白い。実際鑑賞中はその熱意に飲まれているので無茶とは思わなかったが。
・マスコット妖精3匹が人間態のみならず単体でプリキュアに変身。それに合わせてプリキュアのみんなも衣装変化。とにかくキラキラした変身モーションの多幸感がすごい。
・ここからは対ミサイル戦の作画が凄まじいことに。大量のエビフライ型ミサイルによる長尺板野サーカスが観られるぞ!あとキュアスパイシーの「食パンプレスファンネル」とでも呼ぶべきパワフルな戦闘スタイルが私は本当に好きで、映画の作画で見られたのが本当に嬉しい!中距離に2枚の食パンを出現させて対象をぶっ潰すアレ、めちゃくちゃかっこよくないですか。しかも今回は大量のミサイル相手にそれをやるんですよ。
・ロボ戦勝利後は精神世界っぽい謎キラキラ空間での対話シーン。自分のことを改めて「もうお子様ランチを食べる資格はない」と断罪するケットシーの姿が痛々しい。実際劇場内ではこのシーンで男児が大声を上げてボロ泣きしていた。
・ゆいがケットシーに「これからは悲しみも涙も私と分け合おう」みたいなこと言うのは流石に泣きそうになった。この映画の解決は「世界はあなたが思っているような邪悪なものではなく素晴らしいものだ!」ではなくて、「あなたのように苦しまざるを得ない人が安らげる領域を作ってあげたい」なんだよな。ちゃんとさっきの葛藤がこの対話にしっかりと生きている。そしてその領域が「お子様ランチ」なのだ。
・最後、まだまだ中途半端な存在のコメコメがヒーローと呼ばれるのも嬉しかった。お子様ランチという視点でいうとコメコメの態度はかなり中途半端(=大人か子供か中途半端)なんだけど、そんな子でも勇気を出して戦って対話できるのならそれはヒーローなんだ、というメッセージ性を感じた。
・本編が終わったあとは定食屋に視点が戻り、ものすごく強引に先輩プリキュアが大量に登場するボーナスシナリオに。明るいギャグ短編で楽しかったです。
カトキハジメがサブキャラデザインに参加していた。警備ロボット?

まとめ

本当に良かった……。「お子様ランチ」というキーワードを自分の幼さや弱さを受け入れることに紐付けた一貫性のあるシナリオが本当にきれい。否定しようのない巨大な悪に飲まれた人に、「みんなでご飯を食べれば笑顔になれるよ!」的な姿勢の主人公がどう対話するのか?という問題に向き合わなければいけないクライマックスもすごく真剣に作られている。子供向けにしっかり説明し、伏線もあからさまに張って明確に回収するというのを徹底しながらもメインテーマは大人も正解が出せない重いものを取り上げている。本編もちゃんと見ようと思います。

2022年09月第3週の週報&簡易旧譜レビュー(Acrimony,Eyehategod他)

あったこと

週の後半は出張。かなりギリギリのスケジュールにねじ込んだので道中もzoom会議に出ながらの行程になった。
しかしあれですね、コロナ禍等を理由に出張先での飲み会を断る(or一次会で切り上げる)ことの楽しさったら無いですね。繁華街からややずれたところをぶらつきながらコンビニで地元じゃ見ないチルド商品と適当な缶チューハイ1本買って、ホテルで何一つわからないローカルニュース見ながらダラダラして早寝、翌朝の朝食バイキングを万全のコンディションで迎える。これぞあるべき姿ですよ。

同じ刃を使っていてもホルダーが変わるだけでぜんぜん違う。ちょっと躊躇した買い物だったけど良かった。ただ、オールステンレスでちょっと重みがあり、しっかり握らないと手の中で回りやすいのは難点か。

 

ニチアサ

仮面ライダーギーツ』はゾンビFPSがモチーフっぽい回。相変わらず道具の使い方が一捻り効いていて面白い(水系アイテムのトリッキーさや変身モーションの応用など)。一方で「こんなにキャラ使い捨てにしまくっていくの……?」という不安が出るくらい、サブキャラに雑な過去設定が出て、その数分後に塵となって消えてゆく。まだ先が読めない感じ。
『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』はすごい情報量だった。

「一騎打ちで倒したソノイの葬儀に参列する(これだけ次回予告で言及されていた)」「ムラサメとジロウの交流」「ジロウの元の人格は目付きが悪い方(龍)だった」「ムラサメが獣人を殺す唯一の存在」「本体がない状態のムラサメは拾得者の肉体を乗っ取る」「パワーを失ったタロウがムラサメに乗っ取られず、むしろ体力が回復する(ドン王家の者が持つ力の源が同じであることを示唆?)」「愛を知りたいソノニが恋人を追い求める犬塚翼に執着するなど、脳人側の心情を示唆」などなどが並行して進む尋常でない密度に混乱するも、本筋はしっかり進んでいく面白さに釘付けになる。本当に面白い。

 

音楽

Spiritual Beggars - Return To Zero

Return to Zero

Return to Zero

  • Spiritual Beggars
  • Metal
  • USD 9.99

music.apple.com

流し聴きするにはいいけど、ちょっと懐古趣味すぎる。

 

続・悪名 - V.A.

Akumyou / Zoku Akumyou

Akumyou / Zoku Akumyou

  • Various Artists
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥2750

music.apple.com

『悪名』は未聴。やっぱりRINO(LATINA Ⅱ)の声はかっこいいなー。あと恥ずかしながら『夢』を提供しているNaked Artzは名前すら知らなかったんだけどジャジーでメロウなトラックがめちゃくちゃツボ。

www.youtube.com

何時間か流しっぱなしでも聞き飽きなさそうだ。

 

Acrimony - Tumuli Shroomaroom

burningworldrecords.bandcamp.com

bandcamp版は2019と書いてあるがリマスター等されているかは自信なし。所持しているのは日本盤CD。
めちゃくちゃいい!!!!!!!再生時間やアートワークから酩酊感重視の激遅ダウナーな路線(Electric Wizard - Come My Fanaticsのような)を想像していたが、実際はドゥームメタルストーナーロックとサイケデリックロックの完全な融合というか、Sleepの壮大さと絶妙なリズム処理を活かしつつ、そこにアクセントとして加わるのがハードコア要素ではなく正統派ドゥームメタル要素になったというか、いい意味で暑苦しく、それでいてとても心地良い陶酔にも導いてくれるという奇跡のようなバランスを持つ作品。
1曲めがドゥームメタルフリークでなくとも聞きやすい感じ。のっけから最高のドヘヴィリフをぶちかまし、中盤では壮大なリフとシャッフルビートでトリップ空間を闊歩し、後半で一度急減速した後に3分異常かけてなだらかにBPMを上昇させていき、終盤はドラマチックかつサイケデリックなリフをひたすら繰り返し、ラストはメタルっぽくカッチリと〆る究極の1曲。
その後の曲も緩急をつけたストーナーメタルを展開し、再生時間の割に全く飽きることがない。名盤扱いされる理由がよくわかった。最高!!!!!!!!!!!!

 

Eyehategod - Eyehategod

eyehategodnola.bandcamp.com

前作Confederacy of Ruined Livesは良くも悪くもサザンロック/ブルース感強めの作風だったが、本作はもうちょっとスラッジコアに寄せている感じ。しかし3rdまでの悲痛な緊張感はなく、殺伐とした攻撃性はあるもののいい意味で若干ニュアンスが異なる。
「悪趣味」と形容したくなる、あの太くて複雑で引きずるようで厭世的なんだけどどこか感情が読めなくてそれでいて中毒性のあるリフが復活しているのが嬉しい。ドラムが巧みで、シンプルなリフでは極度に簡単なビートの中に絶妙な音抜きや溜めを挿入。凝ったリフを延々と繰り返す時はリフとユニゾンした独特のフィルインを挿入(5.はかなりわかりやすく両極端に振れる)。それでいて楽曲全体で「延々繰り返される息苦しさ」みたいなものは一切失われず、2ndTake Us Needed For Painで頂点を極めた「不快な心地よさ」が全編にわたって楽しめる。初めてEHG聴くなら絶対に2ndか本作。

 

 

 

2022年09月第2週の週報&簡易旧譜レビュー(Anathema、Voivod他)

あったこと

職場にインターンシップの学生が来て自分がメインで担当し、学生が帰ったあとは残業、という日々が続きかなり精神的に参った一週間だった。他人ってやっぱり苦手だな。

月見バーガーの季節だ。マックの月見バーガーオーロラソースをうまく食うための媒介に過ぎない気がするものの、いざ食べるとやっぱり旨い。

土曜日は居酒屋へ。良くも悪くもザ・居酒屋だったが結論でいうといい店だったな。アイドルマスターSideMの315プロダクションが年末のカウントダウンライブをやる場合の構成について熱く議論を交わした。18歳未満のメンバーが居るので穴埋めor欠員ありのオリジナル編成によるダンス/歌唱分担の変更や映像出演など想像の幅が広いのである。今年から18歳になったメンバーの初参加なんか想像するだけでアツいですよ。

週末は友人と飯&散歩。「飲み会ばかりでない友人関係を築けたことはこの上ない幸福である」旨の話をした。

 

音楽

John Zorn - Locus Solus

music.apple.com

初期作でありながら様々なアイデアの源泉が聴けて楽しい作品。Twitterのツリーでパートごとに分けてレビューした。

 

The Body & Full of Hell - One Day You Will Ache Like I Ache

誤解してたけどコラボ常連はThe Bodyだけです(FoHはメルツバウともコラボ歴がある程度)。

 

Voivod - The Outer Limits

www.youtube.com

1993年7th。本作以外は2003年のセルフタイトル作(全然ピンとこなかった)だけ聴いたことがある。
音楽としてはプログレメタルに分類していいんだろうけど、一般的なプログレメタルの文脈に乗っておらず、歌い方も含めて「中期Megadethのメンバーが70年代プログレにハマった」という感じなのが面白い。実際アルバム中盤でThe Nile Songカバーしてるし。浮遊感のあるギターリフや妙に明るい楽曲が、プログレメタルの歴史が培ってきたインテリジェンスと絶妙にブレている。
白眉が6.The Lost Machine。不気味なコードワークが楽曲全体にB級SF様の雰囲気を充満させている。
かったるいのに聴いちゃうアルバム。

 

Anathema - A Natural Disaster

www.youtube.com

2003年7th。のちのオーガニックかつシンフォニックで壮大なポストプログレ路線とはやや違い、ゴシックメタル+Radioheadとでも言うべき雰囲気。
ミニマルに、時々エレクトロな要素も入れながらゆったりと盛り上がっていくメタルでめちゃくちゃ気持ちがいい。1~3曲目がわかりやすくアルバムのスタイルを呈示。
4.Are You There?や9.Electricityはめちゃくちゃ美しいポストロック風バラードなんだけど、このアルバム以降どんどん歌がうまくなっていくので、この頃の歌唱は過渡期の印象が拭えない。
元がゴシック・デスメタルなのもあってかエクストリームメタル――というよりブラックメタルっぽいリフが聴ける楽曲がもある。6.Pulled Under...に至っては絶叫してからポストブラック風のコードストロークリフになだれ込む展開があるし、10.Violenceも中盤に高速ビートで爆走するのでコテコテのブラックメタルを連想。しかしこのアルバムの中でこういった曲も浮くことはない。メタルらしい重さがアルバムの要所要所に散りばめられているので、時折そういう要素が出ても「アルバムの緩急」の一つとして受容できる。
上に貼ったタイトルトラックには後々正式メンバーとなる女性voがゲストとして参加しているが、加入前にして音楽性に合いすぎ。
Judgementとかの頃はまた垢抜けない感じがあったがこの頃ですでに貫禄を感じる。凄いバンドだな。

 

 

 

 

 

2022年09月第1週の週報&簡易旧譜レビュー(324、Fight他)

あったこと

仕事はだいぶコロナ関連でバタバタした。

嫌いなんですよあの店名。

急須を買い替えた。茶こしが編み込みでなくてパンチングのもの。洗いやすいぜ。反面お湯の透過量が違うのか、前の急須より蒸らし時間が必要。

釣り行きたいなと思いつつ上記の理由と、あとそもそも最寄りの海が150km先だというのがあり……。子供の頃、ハゼとアイナメは暇つぶし感覚で釣りに行っていたが今住んでいるところはどうなんだろうな。当時は太平洋側、今は日本海側に住んでいるのでおそらく全く魚種が違うはず。

今週のニチアサはすごい情報量だった。仮面ライダーは新作の第1話だし、戦隊はシナリオにコメディとシリアスと大量かつ同量ずつ詰め込みつつ演出においては引き算の美学を意識した巧みさが光った。

 

音楽

Bandcamp Friday。

 

John Zorn - Cobra (Game Pieces vol.2)

music.apple.com

Cobraに「つまらなそう」と偏見を持っていたが、少なくともこのアルバムは面白い。

 

Anathema - Judgement 

Judgement (Remastered)

Judgement (Remastered)

  • Anathema
  • Hard Rock
  • TRY 9.99

music.apple.com

後半の加速にメタル感を残すタイトルトラックや、ミニマルな構成でドラマを演出する手法に後期路線の萌芽を見せるDon't Look Too Farがお気に入り。

 

Pharoah Sanders - Welcome To Love

music.apple.com

なんとなく、「神妙じゃなさ」がいい感じ。ただ私がファラオに求めるものではまったくない(日本企業の企画盤らしいし、らしくなくてもいいのかも)

 

324 - Rebelgrind

(ネット上に公式音源なし)
東京グラインドコア2nd。『冒涜の太陽』に比べるとややブラスト少なめ?しかしその分いろいろな雰囲気のリフが聴けるし、爆速ブラストが際立つ。多彩なハードコア要素をブチ込みつつ総合的に嵐のようなグラインドコアという印象になるのはすごい。ジャパコア系の暑苦しいギターソロが差し込まれるSlavedrive、個性的なリズムチェンジが楽しいStoryteller、冒頭シンガロング必至のLife Only Brought Up Evil、巧みなドラミングによるリズムチェンジが予測不能なRequiem For the Flockあたりが好き。特に個性的な曲がこのへんだというだけであって、全曲最強のグラインドコアです。

 

Fight - A Small Deadly Space

A Small Deadly Space

A Small Deadly Space

  • Fight
  • Metal
  • USD 9.99

music.apple.com

ラフな音作りと、インダストリアルメタル要素を捨ててドゥームメタル・モダンヘヴィネス・グランジを融合させたような退廃的な楽曲の相性がいい。
Robの歌い方は美しく豊かに枯れた中音域の歌声がメイン。Human CrateとIn A World of My Own Makingが白眉。ハイトーンシャウトも控えめかつ使い所を抑えているのが曲調と合う。Legacy of HateのAメロは絶妙にそれまでのRobのイメージから外した汚らしいスクリームを使いこなすことで、攻撃的でありながら旧作のイメージを呼び起こさないことに成功している。メタル度の高い楽曲も、MetallicaのLoadを彷彿とさせる「モダン・ヘヴィ・ブルース・ロック」調とモダンスラッシュっぽい刻みリフをうまく調合している。なんならあの頃のMetallicaより断然上手い。Beneath The Violenceが特にわかりやすい。
ベース除くメンバー全員が作曲に関わっている(ライナーノーツより)効果はデカいと思われる。1stはアラフォー一人が作った最新メタル(風)作品だが、本作はRobの才能と2~30代前半のリアルタイムな感性がそのまま反映されているのだから。
マジでみんな1stの方好きなんですか???マジで???と思ったが、時代の空気感もあるのだろう。1stが「あのハイトーンボイスがメタルサウンドに乗ることはないのだろうか」というファンの不安を見事打ち破ったことは確かだろうし。

 

 

 

2022年08月第4週の週報&仮面ライダーリバイス感想&簡易旧譜レビュー(Pig Destroyer)

あったこと

長時間労働が多めの週だった。しかし外回りの収穫が多かったので時間の割に精神的負担はやや少なめ。

労働時間が伸びることで必然的に夜の運転が増え、夜行性の生き物をたくさん見ることになる。もう数ヶ月もすると狸轢殺の季節(私の住む田舎では)ですね。

おやつとして菓子ではなく味のりを食べるようにした。これはいいですよ。板海苔2枚分程度まで量を抑えれば、意外と塩分も少ない。

世界一おもしろい動画。

 

アイマス

これすごく良かった。アイドル"本人"によるバラエティ番組。木村龍にお仕事コラボの感謝状(実物)が送られたり、アイドルがカンペを見る独特の間が徹底されていたりと、現実との境目が溶けていくようなつくり。
Youtubeでもよくある「リアクション動画」をやるコーナーがあったのだが、気さくなFRAMEのメンバーは「ここ口ずさんちゃうよな~」と鼻歌を歌ってたり、どちらかというとビジネスライクなLegendersのメンバーは間が持たないレベルの無言時間を何度も作ってしまっていたりといったリアリティが面白かった。

 

ニチアサ

仮面ライダーバイス』が終わった。脚本の不整合を毎週、面白さの断片を隔週見せられる、ふらふらした作品だったな……。「設定とかコンセプトとか制作陣が忘れてるのか?」「子供に瞬発的なエモが提供できればそれでいいとある程度割り切ってるのか?」と思いながら鑑賞してきたが、最終回でそれもよくわからない感じになっちゃった。
【最終話までの経緯(うろ覚え、間違ってたら教えてください)】主人公・一輝は幼少期に窮地に陥った際、内なる悪魔・バイスの力を借りる契約をした。しかし仮面ライダーとなってからしばらくして、その代償に、一輝はライダーに変身するたびに家族の記憶を失う副作用があることが発覚する(この条件、なんとバイスは知らなかった。契約時に騙したわけでもないっぽい)。度重なるバトルで家族全員の記憶を失った一輝だったが、内心でバイスを新たな家族と認めていることが発覚。家族の記憶を取り戻させるため、バイスは一輝を挑発して変身させることで、契約の副作用で自分を忘れさせようとする。それによって契約は満了となり/無効となり(作中で表現がブレている)、バイスは力を失って一輝の肉体へ回帰し、他の家族の記憶がもどってくるはずだからだ。理屈がわかるようでわからない。
【最終回】バイスの真意を知った一輝とバイスのラストバトル。楽しげに二人の思い出を振り返りながら、コミカルなプロレスのように過去の変身フォームをぶつけ合う。蓄積がちゃんとしてさえいれば、ユーモラスなのに涙が止まらない名場面となるはずの流れだ。
最後にはバイスが消滅。バイスを忘れた一輝や仲間たちが、新しい生活を始める(このエピローグパートにすら本当は突っ込みどころが無数にあるのだが止めておく)。一輝は実家の銭湯で働きながらも、昔やっていたサッカー(この設定をフィーチャーした回が中盤にちょっとだけあった)に復帰。そこに現れたのがなんとキングカズ(マジで本人!)。「夢を追うのに遅すぎることはない!君は今からが全盛期さ!」みたいな事を言って本編が終わる。

おかしいよ。

これまで作品の本筋として「サッカーの夢を諦めた後悔をずっと抱えていた」「夢を叶えるために──」みたいな要素はほとんど絡んでこなかったし、本筋はどっちかというと「自分の中の悪魔(≒弱さ)と向き合う若者」「過去と向き合い、若者に道を示す大人たち」であった(これらも一部大人描写除きボロボロだったと思うけど)。キングカズも自室にポスターが貼ってあった(うろ覚え)程度の存在感しかなかった。少なくとも本作品においては「ぽっと出」なのだ。そもそも、メインターゲット(商業的な話は知らん。理念の話)である子供にメッセージを送ってくれよ。夢を手放してしまった大人たちじゃなくてさ。子どもたちが一輝たちの切ない別れを振り切って未来に歩き出せるようなエールをくれよ。

テーマの難しかったゼロワン、設定の難しかったセイバーの展開が多少厳しくなるのはわかるんだけど、リバイスはどうしてこうなったんだろう?という感覚の拭えない終わり方だった。

続くドンブラザーズは総集編。コロナの都合でキャストを揃わせることすら出来なかったのだろう、と推察できる撮り方で現場の苦悩が忍ばれたが、各キャラクターの主観であらすじを整理して、最後に常軌を逸したメタギャグで落ちをつけたのがめちゃくちゃ面白かったです。

 

音楽

本当はコルトレーンとかGotthardとか書きたかったんだけど上の文章書いてたら疲れちゃったので1作だけにする。

Pig Destroyer - Terrifyer / Natasha

pigdestroyer.bandcamp.com

pigdestroyer.bandcamp.com

2004年作。前作Prowler in The Yardよりも重厚な音作り(相変わらずベースはいないけど)なのと、各楽曲に起伏がある。前作が瞬間風速的グラインドコアを立て続けにぶつけてきたあと、アルバム後半に単調で遅い曲を固めてテンションを下げる構成なのに対し、本作は全編に渡ってスラッシュメタルとハードコアを融合させたリフがリードする緩急の付いたグラインドコアが支配する。でも生ぬるくなったわけではなく、ボーカルの壮絶っぷりは相変わらずなので攻撃性は相変わらず尋常でない。前作と2枚揃って名盤扱いのイメージだけど、個人的にはこっちのほうが倍くらい好き。
2枚めのNatashaはダークアンビエントとスラッジメタルを融合させたような30分以上の楽曲。ブックレットに掲載の胸糞悪い短編小説と合わせることで具体的に悪夢的情景が想像できて本当に嫌な気分になる(称賛)。

 

 

2022年08月第3週の週報&簡易旧譜レビュー(Andre Vida, Whiplash他)

あったこと

盆休みが終わったが体調不良が治らず、半休を活用しながらの平日になった。

今週の中に誕生日があり、祝われなどがあった。

週末はでかけまくり。海も行った。

日曜日は家のカーテンをアップグレード。気分が良い!

 

音楽

John Zorn: Kristallnacht

John Zorn: Kristallnacht

  • Various Artists
  • Classical
  • USD 9.99

music.apple.com

「水晶の夜」をかなり真剣に取り上げたコンセプトアルバムなので一日に何周もできる軽さではないが、聴き応えがある。

Naninani II

Naninani II

music.apple.com

Nani Nani(Ⅰ)のほうが好き。

「良い曲ばかりだがよりによって1曲めが『良くない29分の曲』である」というかなり特殊なアルバム。

 

Whiplash - The Roadrunner Years

The Roadrunner Years

The Roadrunner Years

  • Whiplash
  • ロック
  •  

music.apple.com

スラッシュメタル。激レア化していた1st~3rdの再発。
1stは本当に文句なしのスラッシュメタル。ちょっとだけメロディアスなリフ(単音の使い方が上手い!)とソロ、猪突猛進の楽曲構成、切れ味鋭いシャウトボーカル、完璧。特にB面のスピード感はすごい。
2ndと3rdはスピードに頼りすぎない音楽性に若干シフト。2ndはバランスが取れていてこれはこれで良い。2.Walk The Plankと5.The Burning of Atlantaは名曲。3rdはクリーンボーカルへの交代などもあり好みからだいぶ外れた。スラッシュメタルフリークのいう「1st以外はカス」は言いすぎだと思う。この2作が悪いのではなく、1stが良すぎるのだ。

 

Andre Vida - Minor Differences

vidatone.bandcamp.com

2014年作。CDがEntr'acteからリリースされており(E179)、その際のジャケはbandcamp版と違ってこの時期のEntr'acteおなじみの「白地の中心にグラデーションがかった長方形」デザイン。
サックスの多重録音によるコラージュ/音響系作品。ノイジーでどこか愛嬌のあるサックスの音色がフレーズを構成し、楽曲が展開する前に瓦解、聴きどころが離散と集合を繰り返す。各種サックスがカホン風、ベース風、シンセ風に聞こえることも多く、サックスだけという感じがあまりしない。オーバーダブもかなり緻密で、即興色は殆どなし。CDにはご丁寧に、各楽曲でいくつ楽器をオーバーダブしたか書いてある。例をあげるとチャカポコと可愛らしい9.L.A.X.は「4 Sopranios, 2 Sopranos, 6 Tenors, 2 Baritones」とのこと。
各楽曲は一定のアヴァンギャルドさを保ちながらもポップだったり不穏だったり。「アイデアが置かれているだけ」という印象があり、聴いていてどこか落ち着く。