アメリカの、パワーエレクトロニクス/ハーシュノイズソロプロジェクトによる2013年リリース(デジタルのみ)のアルバム。何作目かは不明。ジャンルは自称"Emo Power Electronics"とのこと。
パワーエレクトロニクスとなっていますが、ジャンルのトレードマークでもあるアジテーションはそこまで全面に出ず、基本的にはすべてを覆い潰すような音割れノイズかジリジリと危機感を煽るような電子ノイズが鳴り続ける曲が大半。
以下印象的な曲の感想。
tr.1はいきなり爆音の音割れシャウト。というかそれだけ。30秒強なにかをアジって終わり。
tr.3は重低音のノイズの向こうにうっすらアジテーション。迫力あります。
tr.5は滅茶苦茶に音割れしたサンプリング音源(叫びと歌)。"Stupid Fxxkin' Gipsy Cunt!" "White Power!"などの叫びが聞こえるので、おそらく曲名に沿った差別的な音声集だと思われる。
tr.6はホワイトノイズを基調として苦悶に満ちたアジテーションが乗り、その後のたうつようにノイズの質が変化。最後には再びアジテーション。
曲間無しで続くtr.7は19分超。の大作。垂れ流すようなノイズが全編続くけれど、最初の方は垂れ流されるノイズの上に金属の打撃音(推測)、中盤には高周波やサンプリング音声、音量の変化などで展開を作りながら、飽きさせず、終盤は歪んだベースドローンを基調としながら歯切れ悪く終わる。
tr.10はフィードバックノイズがちょいちょい変化するだけという地獄の修行僧仕様。音量変化でびっくりさせようとする他は高周波責めに終始している時間が大半で、まさしく拷問。
作風の軸はぶらさず、しかし各曲がしっかり差別化されていて飽きないアルバムです。おすすめ。
下記公式Bandcampから全曲試聴可能。NYPで購入できます。
【Track list】
1.Semen In The Eye Socket Of Russell Brand 00:35
2.Liberals 02:59
3.Conscience Of State 05:51
4.Smell The Shit In The Gallows 02:46
5.Nazi Scum (Interlude) 00:48
6.Information Movement 05:59
7.Portrait Of A Postmodern College Dropout Suicide 19:22
8.The Librarian Slit Her Throat 09:59
9.God Forbid I Stand In The Way Of The Revolution You Will Personally Lead 14:42
10.<eat shit\die.exe> 17:06