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【音楽レビュー】DT&デスメタル:Nawabs of Destruction - Rising Vengeance(2020年)

 


 バングラデシュの二人組(作曲&演奏&打ち込み担当と歌詞&ボーカル担当?)メロデス/プログレデスバンドの1stアルバム。スペインのPathologically Explicit Recordingsからのリリース。

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 Djentやポストロックと関連付けられたり、超絶テクニカルで難解だったりという近年の「プログレデス」とは違い、モダンかつキャッチーなデスメタルにちょいちょいDream Theaterみたいなフレーズやクリーンボーカルが挟まるというスタイル。ドラムは多分打ち込みですが違和感は全くなし。ベースもしっかり目立つ良好なミックス。

 

 ジャケは遠めに見ると難解なテクデスっぽいというか、The Faceless - Planetary Duality(下参照)っぽいけれど、そういう音楽ではないです。

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 tr.1こそ地味ですが、tr.2はバンドの魅力過剰積載のタイトルトラックにふさわしい佳曲。Raintimeの1stアルバムをどこか思い出しますね。

 tr.5は3分辺りからのギターメロディが美味しすぎ。前半のそこそこ凝ったリズムにも耳を惹かれます。

 tr.7はミドルテンポ中心のデスメタルですが、食らいつくようなボーカルがなかなかかっこよく、このアルバムの中では最も攻撃的。

 tr.8は「Dream Threater好きなやつがやるデスメタル」としてコレ以上のものは未来永劫出ないのではないか?というくらいの名曲。DTっぽいイントロ→爆走デスメタル→DTっぽいミドルテンポ→DTみたいなメロディの爆走メロデスという、あまりに強引な構成を凄まじいテンションと質の高いメロディで4分ちょっとに収めた必聴曲です。

 

 その叙情的なメロディの数々は質こそ高い反面、一般的なメロデスとはあまりに質を異にするものであるうえ、ピュアなデスメタルファンにとっては売れ線狙いっぽく鼻につくかもしれないので好みは分かれそう。

 某有名エクストリーム・メタル系ショップから購入したのですが、そこの入荷コメントでも質の高さを認めつつもキメキメのメロディについては「聞いてて恥ずかしい」という率直な一文が。

 

 メタルの印象の薄い国の新人バンドですが曲も音作りもハイレベルで、ハマる人にとってはbest of 2020に入りうる作品。おすすめです。


【Track list】

1 Beginning Of The End 4:56
2 Rising Vengeance 5:28
3 Reincarnation 6:57
4 Sleep Paralysis 5:01
5 Rise Of The Warlords 5:00
6 The Evil Within 5:09
7 In The Verge Of The Death 3:08
8 The Merciless 4:17

 

試聴・購入はレーベルのbandcampページから。上記の某ショップではセール価格で販売中なので各自検索するように。

pathologicallyexplicit.bandcamp.com