ウゴガベ

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2023年2月第2週の日記+簡易新旧譜レビュー(Spiritworld, Daemonian)

日記

コロナ感染後初のボーカル録音。しかし喉があまりにも弱体化していた(またはあまりに大声を出さなさすぎて出し方を体が忘れた)ため厳しいトラックしか生まれず、日を改めることに……ギギ……グ……マジで悔しい……。声の質を重視する人生を生きている人は絶対にコロナ罹らないようにしてくださいね。

アニメ『オッドタクシー』を見終わった。

感想は上記の通り。「動物の見た目になっている理由」に関しては1話で正解を明確に示していたので(病気か事故かはさておき)あんなに丁寧に説明せんでもとは思ったけど、最終回がかなり面白い上にラストに冷水をぶっかけてきたので一気に好きな作品になった。最終話以外は良くも悪くも『ドロヘドロ』寄りのローテンションを感じて見るモチベがいまいち上がらなかったので、放送当時リアルタイムで追っていた人は純粋に偉いなと思った。

平日、レイトショーで映画『THE FIRST SLAM DUNK』を見に行った。

すごく良かった。宮城リョータを主人公に据え直して山王戦だけをモーションキャプチャCGで臨場感たっぷりに描き、試合の緩急に合わせて宮城リョータの過去(おそらく多くが初出の設定?)が回想される。
最初はそのCGの違和感の無さや音響へのこだわりに感動していたが、終盤はあまりにいち観客としてのめり込みすぎていたのでそこは全く意識がいかなくなった。バスケの試合でバスケの音がしたり、バスケ選手がバスケの動きをするのは当然のことだからだ。
物語がリョータ視点になったことで描かれたのは、家族との死別をきっかけにした家庭内不和と、バスケを通じた関係の再構築だ。途中の母子取っ組み合いシーンのいたたまれなさと来たら凄い。
CGの違和感がないのは、絵柄があまりに原作と言うか、「井上漫画」そのままだったからというのも大きい。過去のアニメ絵からも離れ、井上雄彦が監督して自身の画風で映画を作るためにはコレがベストだっただろうなと思う。
劇伴はとにかくメリハリが凄い。全編を通して無音や環境音を活かし(ラストは本当に凄い)つつも、ここぞというときには10-FEETメンバー演奏によるロック調の楽曲が試合を盛り上げる。後半、エンディング曲が挿入歌的に使われるシーンの高揚感たるや尋常なものではない。あまりに盛り上げ上手なのでそれが逆に鼻につくという人はいるかも。
キャラクターの掘り下げはかなり割り切った取捨選択をしているのでそこを残念がる人は多いかも。三井の回想もベンチの描写もしっかりあるのに「帰ってください」のヤスは賑やかしの粋を出ないし、花道の「大好きです」を省くのもよくも悪くもすごすぎる。
でも実際本当にいい映画。映像と音響による体験としてデキが良すぎるので映画館で見る意味が極端にでかい。一般に鑑賞者が上映中にスマホ見たりアラーム鳴らす行為は怒られても文句は言えないだろうが、この映画に関してはそれが「殺されても文句は――」にレベルアップする。

あまりに良かったので家族を誘ってもう1回見た(家族は初見)。

音楽

Spiritworld - Deathwestern

spiritworldprophet.bandcamp.com

アメリカのクロスオーバースラッシュメタル/ハードコアバンドの2022年2nd。
エスタンとゾンビ映画を組み合わせた最高のアートワークにあらわれているようなコンセプトのアルバムらしいが、一部SEを除いてウエスタン色は希薄。歌詞は若干それっぽい気がするけど。
God Hates Us All前後のSlayerっぽいオカルト/グルーヴ/スラッシュなリフと、スラッシュメタルにしてはミドルテンポ多めでHatebreedにも近いメタリックハードコアの曲構成を組み合わせたスタイルがめちゃくちゃ面白い。Hatebreedの疾走パートは100%ハードコアパンクだけど、このバンドのそれはもっとスラッシュ側のリズム感覚。ハードコアっぽくコール&レスポンスを煽るようなサビが多いのも特徴的。とにかく全曲が豪快かつのりやすいところが魅力的。リリース後すぐに聴いてたら年間ベスト入ってたかも。

 

Daemonian - The Frost Specter's Wrath

daemonian.bandcamp.com

Lord Metalを名乗る日本人男性のソロ・プロジェクト2nd。新譜。
音楽性としてはメロディックブラックメタル、いわゆる"メロブラ"だが、その中でも特に意識しているっぽいのがジャンル黎明期の、メロデスメロブラ、スウェディッシュデスメタルの名バンドが群雄割拠だった90年代。
スピード感を維持しながらも頻繁なテンポチェンジ、高低使い分けるボーカルでメリハリがついている上で、とにかくギターリフが北欧系メロディの洪水で激しさと聴きやすさが両立している。音質もブラックメタルとしてはだいぶ良く、その上でギターサウンドは昔のスラッシュ/ブラックメタルのようにラフで刺々しい。3.Hatred Kills Sorrowはメロディックスラッシュメタルとしても聴ける前半のハイライト。最終曲の壮絶さは白眉。と言うか全曲良いです。